「一生かかっても読まないね!」と言われているツンドク本、ブログの力で解消します♪ ホントか(笑)
『その人の名は言えない』井上靖
2007年01月15日 (月) | 編集 |
いや〜古い本を引っ張り出しました。昔のわら半紙みたいな色に変色しちゃったツンドク本。手持ちのものは、1981年に15刷で発行された文庫ですが、そもそもこの作品は、1950年(昭和25年)に“夕刊新大阪”に連載された、井上靖の最初の新聞小説なんだそうです。
井上靖の作品は、高校生の頃に天城出身の先輩にすすめられた『しろばんば』しか読んだことがなかったのですが、内容はまったく覚えていません。『その人の名は言えない』は、ダンスホールの花形だった夏子という女性をめぐる4人の男性の恋の鞘当の物語ですが、戦力外ともいえる、夏子の姉・明子の夫・沢木もからみ、話はどこに落ち着くのだろう…という展開。
明るく奔放そうな夏子ですが、しっくりしない姉夫婦を間近で見ていることもあってか、結婚には慎重で流されることがありません。求婚され、一度は承諾しても、心と体が100%ゴーサインを出せないとわかると、「あなたの奥さんにはなれない」と突っぱねてしまいます。結局、誰とハッピーエンドになるでもなく物語は終わるわけですが、流されることなく、寄りかかることもなく、自分の気持ちに嘘をつかずに生きていこうとする夏子には、凛とした美しさがあるように思います。
物語の時代が戦後の復興時ということに関係あるのかどうかわかりませんが、男性陣の積極的で直截な愛情表現は新鮮でした。これも、大阪が舞台だからでしょうかね? ちょうど今、姪っ子に縁談が持ち上がっていて、男性のほうがぞっこんだということなんで、それなりに真剣に読んでしまいました。
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