財閥企業・今田コンツェルン会長の(婚姻外の)娘として生まれた菜穂子と結婚した杉村氏。現在は会長直属の広報室に席を置いているが、結婚前は児童書の出版社で編集をしていただけあって、とても穏やかな人物だ。前に出ない、かといっていつも退くわけではなく、常に客観的に物事を見て吟味し結論を出すような性格。我(が)の無さも感じるけれど、妻と娘を愛する、優しい夫であり父親であることは間違いない。
そんな杉本氏が、今田会長のお抱え運転手だった梶田氏の遺族(姉妹)の依頼で、梶田氏を自転車で轢き逃げした犯人を捜すことになる。
と、ここまでは読み終わってすぐ書いたのですが、そのまま随分経っちゃったので、あらすじは省略。私は本の中で心に残る言葉や1行と出合うのが好きなのですが、本書にもありました。『誰か』というタイトルにからめた数行の文章。そう、そうなんだよねぇ、ほんとにそうだよ。と、つぶやいてしまいました。332ページ(単行本)に出てくるから、気になる方は、そこだけじゃなくて、そこまで読みすすんで味わってくださいね(^^)
それとは別に、「子どもはあらゆる闇にお化けの姿を見出す」というような言葉(時間が経ってしまったので、はっきり覚えていません)が何度か出てきました。幼い頃の恐ろしい体験が、子どもの心におよぼす影響の深さを物語る言葉だと思います。だから不用意に傷つけないで、という宮部さんの声が聞こえてくるようでした。




