面白かったのは「町長選挙」。東京都の離島に短期、医師として赴任することになった伊良部。伊良部の患者となるのは、伊良部より一足先に離島の町役場に出向となった若い公務員・宮崎君。島は折しも選挙シーズンで、現町長派と元町長派の島を二分する票の争奪戦が繰り広げられていて、常識が通用しない“島のルール”に生真面目な宮崎君は翻弄されっぱなし。まぁそのルールというか流儀がハチャメチャなのですが、もしかしたら本当かも…と思わせる面白さ。なにしろ、4年に1度の町長選挙は投票率が95%という熱さ、島をあげての一大イベントなのです。年々高齢化している島の老人たちは大きな票田であり、年寄りたちも元気がいい。
意外にも基盤整備が進んでいたと、宮崎君の口から語られた離島ですが、これも公約を守らなければ次の選挙で勝ちはないという緊迫感の賜物なのでしょう。モデルとなった島は、あそこかな? 一度は行ってみたいと思うけど、行ったらダイビングがしたいよなぁ。私のダイビング歴はわずか16本。ログブックの最後の日付は1990年6月6日。タヒチのボラボラ島での1本が最後だからなぁ。機材の扱い方忘れてしまったし、流れの速そうな場所だから、ちょっと怖いです。遠い目……。
捜査に乗り出した刑事は、オリヴィアの高校時代の恋人、貧しい家柄のせいで祖父に反対されて不本意に別れたあのトレイだった。
ロマンス小説はハッピーエンドが基本なので、惹かれ合う男女のなりゆきは、いつもどおり。今回は、ヒロインの両親が誘拐事件の際に殺されていることから、犯人探しの面白さもあります。最後の最後に、え!そうだったの!?とビックリする隠し球もあって、ハッピーエンドのなかにも複雑な心模様が影を投げかけ、余韻を残す仕上がりになっています。
ロマンス小説は、どれだけヒロインに自分を重ねることができるかで、満足度も違ってくるんじゃないでしょうか? 甘いやりとりは、登場人物が外国人同士だから違和感ないけど、照れ屋で日本人の私はヒロインになりきるのは難しゅうござんす。女優にはなれないな…って、無用の心配ですね(^^;




