「一生かかっても読まないね!」と言われているツンドク本、ブログの力で解消します♪ ホントか(笑)
『サウスバウンド』奥田英朗
2006年02月13日 (月) | 編集 |
あー、この小説、奥田英朗のなかで一番好きになっちゃったかも! 人生が思わぬ方向に転がっていくという意味では『最悪』『邪魔』に通じるものがありますが、読後に爽快感と温かい気持ちが残る、少年の成長物語&ファミリードラマに仕上がっています。
主人公二郎の父・一郎は元過激派で伝説の闘士。国民の義務などくそくらえで、学校なんぞ行かなくていいと豪語し、二郎が物心ついてからはずっと家でごろごろしている。母親が営む喫茶店のおかげで生活は成り立っているが、二郎と妹の桃子から見ても、なぜ母がこの父と結婚したのかわからない。その理由は物語後半で明らかになり、なるほどと思うわけですが、とにかくこのお父さんの個性強烈です!
年金課の職員も学校の教師も警察も、すべて敵。体制や官の言いなりにはならんと舌鋒鋭く、一歩も引かないド迫力。図体も声も半端じゃなくデカイときているから、よけいである。もっとも、自分の信念を子供にすべて押し付けるわけではなく、二郎も桃子もちゃんと学校に通っているわけで、個人の自由意思を尊重しているあたりは偉いと言える(笑)
二郎には社会人の21歳(だったかな?)の姉もいて、これがまためっぽう父親と折り合いが悪い。父親とは血がつながっていないらしい。とにかく、そんな5人家族。
物語の舞台は第一部が東京の中野、第二部が沖縄の西表島。まぁ引っ越すわけですが、その理由と成り行きは読んでのお楽しみ♪ 中野と西表島の環境の落差、人と人との交わり方の違いも面白いですが、全編を通じて、二郎と桃子の兄妹が魅力的。自分たちに襲いかかるさまざまな出来事と戦う姿が愛おしい。ひとりでは耐えられないことも、ふたりでなら耐えられる、家族でなら乗り越えられる。拠りどころとするものがある人間は強いぞ、と、やや能天気ながら元気が湧いてくる作品でした。
成長物語、ファミリードラマ、と聞いてシラケないで下さいね。不良との対決(二郎編)や、リゾート開発企業との対決(一郎編)など、爽快です!


追伸:“中野ブロードウェイは”で始まる出だしで、一気にハマっちゃいました。私がOLだった頃、最寄の国鉄(笑)の駅は“中野”でしたから、リアルに映像が思い浮かんでしまったのです(^^)
テーマ:読書感想文
ジャンル:小説・文学
奥田英朗作品
2006年02月07日 (火) | 編集 |
サウスバウンド』、図書館から借りた本なので正確にはツンドク本ではありませんが、読んだ本は記すことにしました(^^)
奥田英朗の作品、好きですね。これまで、『最悪』『邪魔』『イン・ザ・プール』『マドンナ』『真夜中のマーチ』『東京物語』『空中ブランコ』と読んできて、今度の『サウスバウンド』が8冊目。
最悪』『邪魔』に出てくるような“身体的苦痛描写”は苦手なのですが、置かれた状況に翻弄されて、やけくそ気味に転げ落ちていってしまう人生、ひょっとすると自分だって…と思ってしまう面白さがありました。
イン・ザ・プール』と『空中ブランコ』は、超おデブのとんでも精神科医・伊良部が、常人とは思えぬ治療法で訪れた患者を治してしまうお笑いファンタジー(?)。実際にはあり得ないキャラクターですが、気の病、「こんなんで治っちゃうんだ!」という不思議なことは実生活にもある気がしますね。爆笑の短編集、どちらかと言えば『空中ブランコ』のほうが面白かったかな。しんみりする箇所もあった気がします。
マドンナ』は過去の読書メモ(満足度を△○◎で表わしたもの)によると◎なのですが、なぜか記憶が飛んでいます。Amazon.com のサイトを見て、“中年サラリーマンが主人公の短編集”とわかったけれど、それでも思い出せないのは、自分が主人公と違って女性だからでしょうか? タイトルは“マドンナ”なんですけどね(笑) 『真夜中のマーチ』は、ちょっと物足りなくて△かな。
一番好きなのは『東京物語』♪ 奥田氏の青春時代(大学生〜新米サラリーマン時代)をベースにしたと思われる連作短編集で、自分自身、奥田氏と同世代の地方からの上京組、舞台となっている御茶ノ水界隈にもなじみがあり、運動部出身ゆえ、男っぽい言葉遣いの女子学生にも違和感がないときては、共感を覚えずにはいられません。この本も図書館で借りて読んだのですが、文庫化を機に買っちゃいました。
そして今読んでいる『サウスバウンド』、かなり面白いです! かつてバリバリの学生運動家だった父を持つ息子が主人公の、波乱ぶくみな物語。感想はのちほど(^^)
テーマ:つぶやき
ジャンル:小説・文学
『クラバート』プロイスラー
2006年02月05日 (日) | 編集 |
浮浪生活をしていた14歳のクラバート、夢のお告げに従って訪ねた水車小屋に住み着き働かされることになるが、そこは親方が魔法を教える魔法学校だった。
1971年の作品なので、ハリー・ポッターの原典となるような話かしら?などと思いましたが、トーンはだいぶ違いました(ハリポタは映画しか観てませんが)。
クラバートは、最後は“魔法の力を捨てる道を選ぶ”わけで、翻訳者の解説中にある作者の作品の意図を読んで、はぁそういうことかと思いましたが、どうもうまくキャッチできませんでした。
親方の意のままに操られる暮らしから抜け出すまでを描いているのですが、クラバートにうまく感情移入ができなくて、読了までに長い時間がかかってしまいました。
ネットの読者評とかは上々だし、絶賛を博した作品だそうなので、相性の問題ってことで、この辺で…(^^;

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